腰痛、ぎっくり腰

腰の痛みのイメージ

腰痛は、誰にでも起こりうる症状の1つです。重い物を持ち上げたり、無理な姿勢をとったときだけでなく、日常生活の何気ない動作によって腰椎やその周辺組織に負荷が蓄積していきます。これに伴って慢性的な腰痛に悩まされたり、あるとき突然、腰の痛みが引き起こされたりするのです。このようなときは、当院を受診ください。まず投薬や注射でつらい痛みを抑えます。さらに、運動機能回復や運動機能低下予防を効果的に図るために様々なリハビリテーションも取り入れ、患者さまの生活の質(QOL)を改善していきます。
なお、腰痛の代表的なものに「ぎっくり腰」があります。急な動作の際に、背骨を支える筋肉に強い負担がかかり、炎症を起こします。ひどくなると、体を動かすたびに強い痛みが走り、動作に困難を来たすこともあります。痛みのピークを越えた後、通常は徐々に回復しますが、間違った動作を続けていると、なかなか回復しません。症状を長引かせないためには、お早めに整形外科を受診することが大切です。

腰椎椎間板ヘルニア

人間の背骨は、約30本ほどの椎骨が積み木のように重なって構成されています。この椎骨の間には椎間板があり、荷重を和らげるクッションの役目を果たしています。椎間板ヘルニアは、何らかの要因によって一部の椎間板が本来の位置から飛び出している状態です。様々な部位に起こりうるのですが、特に多いのが腰椎の椎間板ヘルニアです。腰のあたりの神経を圧迫するため、腰や足に激しい痛みやしびれをもたらします。

脊柱管狭窄症

背骨に囲まれた管状の空間のことを「脊柱管」と呼んでいます。脊柱管狭窄症は、年齢や変性に伴って靭帯の肥厚が生じたり、骨棘によって脊髄や神経根が圧迫される疾患です。多くは腰椎や頸椎に起こります。腰部脊柱管狭窄症では、腰の神経の通り道が狭くなってしまい、腰の痛みや足のしびれを起こします。好発年齢は50~80歳くらいの中高年であり、女性より男性に多い傾向がみられます。通常はリハビリテーション、コルセット、神経ブロック、薬物療法などを組み合わせて治療します。日常生活に支障をきたすようなときは、手術を選択することもあります。

坐骨神経痛

坐骨神経痛は、腰から爪先まで伸びている坐骨神経に生じる痛みです。この神経が様々な原因で圧迫・刺激されると、電気が走ったような痛みや、ビリビリとするしびれ、強く張っている感じなどの症状が出現します。初期段階では腰の痛みを自覚することが多いのですが、やがて臀部や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれ、麻痺が広がっていきます。歩行障害を伴うケースもあります。痛みがあると日常生活に影響が出るので、まず症状をやわらげる治療を行います。投薬や神経ブロック注射が代表的ですが、痛みが治まらないときや泌尿器系などに問題が起こったときは手術も考慮します。